コンポン・チュナンは、古くからカンボジア王国における重要な河港として発展してきました。現在の首都プノンペンから約91kmの距離にあり、トンレサップ川沿いに位置しています。 「コンポン・チュナン(Kampong Chhnang)」という名前は、クメール語で コンポン(Kampong)= 港、船着き場 そしてチュナン(Chhnang)= 土鍋、陶器 を意味します。 つまり、「陶器の港」あるいは「土鍋の港」という意味になります。

陶器の町として発展した歴史

昔の人々は、現在のような金属製品を持っていませんでした。そのため、日常生活に必要な道具の多くは土を焼いて作られていました。例えば、かまど・水がめ・土鍋・壺その他の生活用品などです。トンレサップ湖周辺では、多くの人々が陶器作りに従事していましたが、中でもコンポン・チュナン地域は特に盛んでした。完成した陶器は、牛車や船を利用して全国へ運ばれていました。特に水運は、大量の陶器を安全に運ぶことができたため、重要な輸送手段でした。

「コンポン・チュナン」という名前の誕生

当時、職人たちは作った陶器をトンレサップ川沿いの船着き場に集めて販売していました。この場所は次第に、「陶器を売る港(コンポン・チュナン)」と呼ばれるようになり、その名前が地域全体の名称として定着しました。

 

「プサー・チュナン(陶器市場)」の誕生

当初、陶器の販売は乾季にしか行うことができませんでした。しかし雨季になると洪水によって市場が水没してしまいました。そのためフランス統治時代に、川沿いの土地をかさ上げし、一年中陶器を販売できる市場が整備されました。この市場は、「プサー・チュナン(陶器市場)」と呼ばれるようになり、現在でもその名称が残っています。また、この名前は現在のプサー・チュナン村プサー・チュナン地区(サンカット)の名称にも受け継がれています。

 

まとめ

コンポン・チュナン州は、カンボジアを代表する陶器の産地として長い歴史を持っています。州名そのものが「陶器の港」を意味しており、昔から人々の暮らしを支えてきた陶器文化が今も受け継がれています。そのためコンポン・チュナンは、単なる地名ではなく、カンボジアの伝統工芸と歴史を象徴する地域の一つとして知られています。

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